幼なじみ〈上〉

『…』

絢音はおばちゃんの質問には答えず、階段を上がっていった。

『おばちゃん、遅くなってすみませんでした。絢音…疲れてるみたいで…』

『何かあったの…?』

『いえ、高橋も見つかったんで』

『でも…元気がないようだけど…』

『いや…何も…。俺も、もう寝ます…』

俺は、おばちゃんに軽く頭を下げ、階段を上がろうとすると、おばちゃんに後ろから呼び止められた。

『蒼くん…』

『はい?』

振り返るとおばちゃんは、とても不安そうな顔をしていた。

『絢音のこと、頼むわね…』

『…はい』

母親は…わかるんだろうな。何も話さなくても。

それに…

おばちゃんが絢音を心配している理由も、俺にはわかるから…。


俺は、絢音の部屋の前に立った。

ドアに耳をつけると、中から、絢音の泣き声が聞こえてくる…。

『…絢音?』

ドア越しに話かけるけど、返事はない。

『絢音…入るぞ…?』

絢音は、布団の上で泣き崩れていた。

『…っく…ひっく…』