幼なじみ〈上〉

心当たりは、あるとすれば…ただひとつ…。


[ 蒼 ]

俺と絢音は、ケンに家を後にした。

少し斜め前を歩く、絢音の小さな背中。

辛いだろ…?抱き締めてやりたい…。

『絢音…おまえのせいなわけ、ないだろ?』

絢音は立ち止まり、ゆっくりと振り返る。

『でも…っ…美々ちゃんを襲った男たちが、あたしの名前を知ってたんだよ?誰がこんなこと?あたし…どうすればいいのぉ…』

『俺が…絶対に見つけるから。高橋を襲ったヤツら、絶対に探し出す。だから…おまえはもう泣くな…』

『蒼…』

『おまえのせいなんかじゃない。これは犯罪だ。おまえは絶対に何も悪くない』

『でも…』

『…帰るぞ』

俺は、絢音の右腕をつかみ、家まで歩いた。

月明かりだけが、俺たちを照らす。


ーー・・・ガチャッ。

家に着き、ドアを開けると、おばちゃんが心配そうに玄関までやってきた。

『ふたりとも…遅かったじゃない!美々ちゃんは、見つかったの?』