幼なじみ〈上〉

『おい、何だよそれ…っ!』

そう言って蒼がケンちゃんの胸ぐらをつかみ、右手の拳を振り上げた。

『やめてっ!蒼…‼︎ケンちゃんを殴らないで!…ケンカしないで…。ケンちゃん…ごめんね…ごめん…あたしがいけなかったの…』

蒼はケンちゃんをにらみつけて、胸ぐらをつかんでいた左の手を離した。

『…男たちがホテルから出ていく時言ったらしい…。写真ばらまかれたくなかったら、鈴ヶ森綾音によく伝えておけって…』

『なっ…⁉︎』

あたしに…?何で…?

『美々ちゃんが…こんなヒドイ目に遭ったのは…あたしのせいなのね…』

美々ちゃんが、あたしのせいで。

あたしのせいで。あたしのせいで…

嫌ぁぁぁ・・・ーー。

『違うっ!綾音…シッカリしろっ‼︎』

倒れそうになったあたしの身体を、蒼は支えてくれた。

『綾音…おまえのせいじゃない。絶対に違う…』

『だって…だって…嫌…ーー‼︎』

昨日まで明るかった世界が…

一瞬で真っ暗になった。

…美々ちゃんは、あたしの大切な人なのに…。

『ケン…テメェ…何言ってんだよっ⁉︎何で綾音が関係あんだよ⁉︎』