幼なじみ〈上〉

あたしは、携帯を取り出した。

『やめろっ!綾音っち。美々が届けたくないって言ってんだ…』

『美々ちゃんが?どうして⁉︎こんなヒドイことされて…』

『写真撮られてんだぞ?美々が言うのは、ふたりの男に縛られて、その後…』

『もぉ…いいっ‼︎…それ以上…言わないで…』

美々ちゃん…。

女の子が一番、キズつくことをされたんだね。

想像するだけで怖いのに。

美々ちゃんは、どれだけ怖かっただろう。

きっと…すごく、すごく怖かったよね。

あんなに震えて、何て声かけたらいい?あたしは何をしてあげられる…?

あたしが辛い時…いつも明るく励ましてくれたのは、美々ちゃんだったのに…。

あたし…親友なのに、何もできない…

しゃがみ込んで、耳をふさいでいるあたしの両手を、ケンちゃんが無理やりほどいた。

『…美々の身体中、アザだらけなんだ。綾音っち…辛いかもしんないけど、聞けよっ!いちばん辛いのは、おまえじゃないだろっ⁉︎美々なんだよっ‼︎』

ケンちゃんの怒鳴り声が部屋中に響いた。

『…おい、ケンっ!』

『何だよ?蒼…、オレだっていつも冷静なわけじゃねぇんだよっ』

『綾音にそれ以上言うな』

ふたりともやめて…。

『うるせぇっ!蒼…美々がどんな気持ちかわかってんのか⁉︎』