幼なじみ〈上〉

頬に触れていた手も気まずくて、そっとおろす。

ふたりの間に、何ともいえない空気が流れた。

何だよ…タイミング悪いな。

『…はい。もしもしっ…えっ?まだ帰ってないんですか?わかりました…。あたしも探してみます!はい…じゃ…ピッ』

一瞬で険しい顔になる綾音…。

『どうかした?』

何か胸騒ぎがする…。

『美々ちゃんのお母さんから…美々ちゃん、まだ学校から帰ってきてないって…今日お母さんと出かけるから、6時までには帰るって約束してたらしいの…』

『もう8時半過ぎ…』

俺は、時計を見つめた。

『あたし、探しに行ってくる…!』

『待てって!俺も行くよ…』

俺たちは、高橋を探しに、急いで家を飛び出した。


俺と綾音は、高橋が行きそうな場所を探し回った。

駅前のカフェ、CDショップ、本屋、公園、中学の友達ん家…

思いつくところは、全部回った。

いつのまにか、23時を過ぎていた。

『どこ行っちゃったんだろ…?今日中に見つからなかったら、警察に届けるって…お母さん言ってた…』

『絶対に見つかるから、心配すんな』

俺は綾音の頭をポンと叩く。

『蒼…もしかして栞が何かしたとかじゃ…ないよね…?』