幼なじみ〈上〉

『どうしてそれを…?』

綾音の顔色が変わる…。

『本人から聞いたんだよっ!どうしてひとりで我慢するんだよ?あんなヒドイことされて、おとなしく黙ってんじゃねぇよ…!』

綾音の目には、涙があふれていた…。

『だって…蒼と口利かなかったら、何もしないって…そうすれば蒼に迷惑かけることもないし…美々ちゃんにまで何かあったらあたし…』

俺は、押さえつけていた綾音の手首を離した。

『高橋にまで何かするって言ったのか…?』

綾音は、小さくうなずいた。

『ごめん…俺…』

座りなおして、泣いている綾音を抱き締めた。

『冷静になれなくて…今日1日、どうにかなりそうだった…。、おまえがヒドイ目に遭って…本当に辛かったんだ…』

『蒼…』

『俺ってそんな頼りない…?綾音ひとりも守れない男かよ…?』

傷つけたくない…

おまえが…何よりも、大事だから…

『蒼…』

綾音の涙をぬぐうため、頬に触れた俺の手…。

俺は…そっと顔を近づける・・・ーー。

目を閉じて…

少しずつ近付く唇と唇の距離・・・ーー。

ピピピピピッ・・・ーー。

綾音の携帯が鳴り、俺たちは目をパッと開けた。