幼なじみ〈上〉

必死に走った。

下駄箱で、靴を急いではきかえて…その瞬間、腕を後ろからつかまれた。

『何だよ…それ…!』

蒼はあたしを追いかけて来ていた。

『…言葉どおりだってば』

『その言い方…なんだよ』

蒼の声が怒りに震えてるのは、わかった。

『あたしたち、ただの幼なじみっていうだけじゃん。いちいち干渉しないで!』

『干渉って…おまえが心配だからだろ?今日だってあんな目に遭って…』

『大丈夫だってば』

『ひとりで帰ったら、また危ないかもしんないだろ?』

『そういうのが、嫌なのっ!部活休んだり、あたしのために無理しないでよっ』

迷惑かえたくない…

あたしが蒼と話さなきゃ、それですべてうまくいく。

『本気で言ってんのか?俺がおまえのために、いつ無理したんだよ⁉︎』

『もう、あたしのことは、ほっといて…!蒼と話したくない…』

嘘つくのは苦手だから…早く行って…。

『…勝手にしろよっ』

蒼が去っていく。

これでいいんだ…。

蒼が見えなくなるまで、涙を流さずにいられた。

あたし…頑張ったよね…。

苦しい…っ。もつ泣いてもいいかな…