幼なじみ〈上〉

蒼があたしの髪に優しく触れる。

蒼の優しい顔が…好き。

好きだよ…大好きだよ…。

でもね…蒼。

あたし…蒼のそばにいたらダメみたい・・・ーー。

その後は、放課後まで、何も起こらずに時間は過ぎた。

『綾音、帰ろうぜ?』

蒼があたしの肩を抱く。

『…えっ?蒼…部活は?』

『何言ってんだよ?今日は休む』

『あたしのことは、ほっといて…』

あたしは、冷めた低い声で突き放した。

『…どうしたんだよ?綾音のこと、ほっとけるわけねぇだろ?』

蒼があたしの腕を強くつかんだのを、振りほどいた。

『もう…ほっといて』

『綾音…?』

『部活休んだりされたら、あたし迷惑。そこまで蒼にしてって頼んでないじゃん』

『急にどうしたんだよ?』

『ひとりで帰るから』

これでいいんだ…。

『綾音…!』

『蒼といると、疲れる…っ‼︎』

これで…いいんだよね。

お互いのためにも…。

あたしは走ってその場を去った。