幼なじみ〈上〉

『ごめん…蒼』

あたしは、蒼の身体を離した。

『わかってる…おまえが俺のこと何とも思ってないことぐらい』

違う…違うよ…蒼。

『高橋のことが先だよな。高橋の傷が癒えて、高橋がまた笑えるまで…頑張ろうぜ』

美々ちゃんが悲しい時に、あたしだけ幸せになんてなれない。

心から笑えない。

蒼は…あたしの気持ちわかってくれた。

『美々ちゃんとまた…前みたいに過ごせるようになるかなぁ…?』

『絢音が信じなくて、どうするんだよ』

『うん…』

美々ちゃんがまた笑えるように…あたしが強くならなきゃ…。

美々ちゃんの傷が、少しでも癒えるように…

『俺…待つよ…。絢音が俺のことを見てくれるまで…絶対に好きにさせてやっから』

蒼があたしの頬を左右に引っ張った。

『ハハハッ…ヘンな顔っ』

『ひどーい』

久しぶりにふたりで少しだけど、笑い合えた気がした。

『そろそろ寝るか…』

蒼はあたしの頭をそっとなでた。

『うん…おやすみ』

『おやすみ』

…?

蒼は、あたしと一緒の布団の中にもぐり込んだ。

『何やってんの?蒼』