幼なじみ〈上〉

『会ったって…誰に…?』


バンッーー・・・。

『絢音…っ!』

ママとパパが、息を切らして病室に入ってきた。

『ママ…パパ…』

バシッ・・・--。

痛い…っ。

病室に入ってくるなり、ママが思いきりあたしの頬を叩いた。

『シッカリしなさいっ…!…どうして…?どうしてまた…こんなこと…』

ママがあたしを抱き締めて、身体を震わせていた。

『ママ…ごめんね…』

あたしは、あたしを大切にしてくれる人を…、泣かせてばかりだ…。


夕日が沈みかけ、いつの間にか東の空は紺色に染まっていた。

白い三日月も見える。

ひととおり検査も終わり、病院からパパの運転で家に帰る。

車中でママは、ずっと助手席から窓の外を見つめていた。

ふたりとも…ごめんなさい。

何でこんなことしたんだろ…。

どうして…あたし、こんな弱いんだろう?

後部座席で、あたしは蒼に寄りかかりながら、目を閉じる。

ねぇ…蒼。いつも助けられてばかりだね。

幼なじみだから、だからあたしのこと大切にしてくれるの…?

蒼はいま、栞の彼氏だから、もうこんな心配かけたりしないから。