幼なじみ〈上〉

『さっきおまえの携帯見てたら、所属事務所の番号があった。いざという時、おまえがしたこと全部、事務所にバラしてやるって脅そうと思って…』

『それだけはやめて…!事務所にスカウトされて…部屋も借りてくれてるの…。あの義父のところに帰るなんて…一生嫌…!』

夏川は、俺の服の裾をギュッとつかんだ。

『あたしから…夢まで奪わないで…』

『こんなバカなことやってないで、夢叶えろ…おまえなら、頑張れるよ…』

『…ぅう…っ…』

『それと…きっといるよ…おまえのことを心から愛してくれる人…そのためにも、おまえがまず、心から人を好きになれ…』

裏切られても、立ち上がれる強さを、信じ続ける強さを。

どうか…夏川に…。

『ありがと…蒼くん…』

夏川から、高橋の写真のネガを返してもらった。

これで、何もかも終わると思っていたのに…。


夏川を芸能事務所が借りてくれてるというアパートまで送っていき、俺は家に帰った。


部屋の時計を見ると、真夜中の3時だった。

・・・嫌な予感がしたんだ。

ーー・・・ガチャ。

俺は、絢音の部屋のドアをそっと開けた。

パチッと部屋の電気をつける。