幼なじみ〈上〉

『…何を言ってるの?』

『今まで手に入らない男なんていなかった。だから俺がほしかったんだろ?人の気持ちなんて、力じゃどうにもなんねぇよ?』

『…うるさいっ!おかしいって思った。蒼くん今まで栞のこと嫌いだったのに、急に会いたいなんて電話…』

『もう少しおまえは賢いかと思ったけど』

『…今までの男たちは、みんな同じだった。ただやりたいだけ。エッチさえすればみんな栞に夢中になったから。男なんてやることしか頭にないじゃん!』

そう言って夏川が、俺に枕を投げつける。

『おまえさ、そんだけ経験あるくせに、いい男と付き合ったことないんだな。可哀想に』

『そんなにいいわけ?あの子の何がいいのよっ?』

『理由なんてわかんねぇよ。でも好きなんだ。ずっと小さい頃から一緒にいた。絢音がいなきゃ、俺は生きてる意味ない…』

『生きてる意味がない?バッカじゃないの?好きな女のために命かけられるわけ?』

『ここで、おまえ殺して…俺も死んだっていいよ』

絢音のためなら、俺は、何でもできる…。

『…死ぬとか…バカじゃないの?笑っちゃう…』

『おまえは、俺たちの過去を何も知らないだろ?絢音は…俺のすべてだから…アイツが幸せになるためなら、何でもできる…』

俺は、ベッドの上の夏川に近寄っていく…。

『来ないで…来ないでよ…!怖い…』

夏川を押し倒して、馬乗りになった。

『おまえが絢音にしたこと…高橋にしたこと…俺は絶対に許さない…絶対に…』