幼なじみ〈上〉

『絢音…』

『あたしが…殺した…』

絢音の肩が震えている…。

『ちが…っ』

『…あたし…が…殺したの…』

絢音の振るえが強くなっていく。

『違う!絢音…おまえ混乱してる。あの時と違う!』

俺は、絢音の両腕を強くつかんだ。

『あたしが…あたしが…』

『死んでないっ!高橋は生きてるっ…』

俺は、絢音を抱き締めた。

『…っ…ひっ…くる…し…』

パッと身体を離し、絢音を見ると、息をうまく吸えない状態になっていた。

『絢音っ?』

絢音が、過去吸状態に陥っている。

俺は、そばにあったビニール袋を、絢音の口と鼻をおおうように当てた。

『絢音…大丈夫だ…大丈夫だから』

絢音は過換気症候群をわずらっていて、こういう発作がたまにある。

医者の話によれば、精神的なものらしい。

『…っ…くっ…ひっ…ひっ…』

『大丈夫だから…絢音…』

絢音…混乱するな。

あの時のことと、重くなって…混乱してるんだろ?

今回のことも、あの時のことも、おまえのせいじゃない…。