幼なじみ〈上〉

『一体、どうしたっていうの…?』

あたしとケンちゃんは、近くの公園のベンチに座った。

暗夜に、白い月がぼんやりと浮かぶ。

ケンちゃんは動揺していた。

落ち着くまであたしは、ケンちゃんの背中をさすり続けていた。


『…血だらけだった…美々の手…』


ケンちゃんのひと言で、胸がえぐられるようだった。

『美々は…死ぬ気だったんだ…』

『…今…何て言ったの…?』

時間が止まった気がした。

いつも明るくて、シッカリ者。

そんな美々ちゃんが、自分で命を絶とうとするなんて…。

信じられなかった。信じたくなかった。

嫌…嫌だ…。

『あたしのせいで…』

『絢音っち…違うよ』

ケンちゃんは、あたしの両肩を力強くつかむ。

『美々ちゃんは…あたしのせいで襲われた…恨んでた…あたしを…恨んで…悲しみから抜け出せなくて…』

『この前はごめん…オレ…言いすぎた…。絢音っちは…何も悪くない…絢音っちのせいじゃないっ!』

美々ちゃん…ごめん。

もう…何も聞こえなかった。