次の日の朝。

…どうでもよかったと思った事に、

少しばかり後悔する舞。

「・・・スゴイ顔…お岩さんみたい」


鏡に映った自分の顔を見て、

舞はちょっと引いた。

目は真っ赤になり、瞼は腫れている。

散々泣いたのだから、当たり前なのだが、

この顔で、会社に行くのはどうかと思い、


舞は、それなりに化粧を施して、腫れを抑え、

いつもはコンタクトだが、今日はくろぶちメガネをかけた。

髪は束ねる事が多かったが、今日はおろして、

やっと身支度できた舞は、会社に出社した。


…ロビーに入った瞬間、舞は固まる。

エレベーターから、英志と長嶋が下りてきたのだ。

舞は、ハッとして、俯いて、エレベーターに向かって歩き出した。


・・・ちょっと目線を上にあげた舞と、

…チラッと目線を動かした英志は目が合ってしまった。


…だが、不幸中の幸いか。

英志は、いつもと全然雰囲気の違う舞に、

舞だと言う事に気が付かなかった。