それなのに、なぜ、ここまでの事をしたのか。

…それはすべて舞がいたからだ。

舞は貴洋の事が好きだった。

貴洋もまた、舞の事が好きだった。


しかし、自分のせいで死なせてしまった彼女の事が

忘れられず、舞への気持ちを殺していた。


最後に、舞と交わした会話で、貴洋は変わった。

死んでしまった彼女への想いより、

はるかに舞への気持ちが勝ってしまった。


・・・そんな時、英志と舞の関係を知ったしまう。

2人のすべてを知ってしまったわけじゃない。

ただ、同居している事だけ。

でも、男と女が同じ屋根の下で、共に生活をしていれば、

必ず何かある。


そう思うと、嫉妬心で一杯になった。

舞を、どんな手を使ってでも、

自分の物にしたいと、思ってしまった。


すべてを持っている英志の手から、舞を奪いたい。