舞は、家に帰り、ベッドに寝転がり丸まっていた。

舞のした行動は、これでよかったのか。

自問自答しても、答えなど出る事はない。


あの日。

英志と話をするべく、まっすぐ帰宅しようとした舞を、

誰かが呼びとめた。

振り返った舞は、あまりに驚きすぎて、言葉を失った。


「久しぶり」

そう言って微笑んだのは。


「…どうしたんですか、…貴洋先輩」

あれ以来ずっと、話しをすることも、目を合わせる事も

なかった貴洋だった。


「うん、舞ちゃんに話があって」

「…話し?…今じゃなきゃダメですか?

私、今日は大事な用があって…」

そう言って困った顔をした舞に、


「凄く大事な話なんだ・・・

今日じゃなきゃ、もう、あまり時間がないから」

そう言った貴洋の顔は、真剣そのもので、

舞は頷くしかなかった。