俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~

「そうよ、入社してからずっと、貴洋先輩だけだもん。

カッコいいと思うのも、優しいと思うのも、

彼氏にしていいと思うのも・・・・」

そんな事を呟いていると、また貴洋が舞を見た。


「ヤダ、舞。王子様のお呼びだよ、早く行きな」

「え、あ、うん」

貴洋が舞に手招きした。

舞は心臓が飛び跳ねるのを何とか抑え、

貴洋の傍に行った。



「何かご用ですか?」

「これ、今度一緒にどうかと思って」

「これ・・・」

貴洋が差し出したのは、ペアの映画チケットだった。

舞はこの映画が見に行きたいと思っていた。

まさか、貴洋が誘ってくれるなんて思ってなかった舞は、

嬉しすぎて、満面の笑みで言った。


「行きます、行きます!」

「ちょ、声、大きい・・・仕事中」

「…ぁ、すみません」

「フッ…そんなに見たかったの?」

クスクスと笑いながら、貴洋が言った。