買い物を済ませた二人は、ようやく自宅へと帰った。

そしてすぐに、舞はキッチンを借り、料理を始めた。

「・・・・英志さん」

「なんだ?」

「・・・・」

困ってしまった舞は、英志を見上げ、黙ってしまった。


「一体何が言いたい、言いたい事は言えと言ってるだろ?

そんな顔で見られたら落ち着かない」

そう言って少しばかり焦る英志。


・・・英志は常に、周りの事を気にして過ごしている為、

顔色一つで相手が何を考えているか大体わかる。

が、しかし。

舞の事についてだけは例外のようで、口にしてくれなければ、

さっぱりわからないのだ。



「…では言わせていただきます」

「・・・」

「そんなに見つめられたら、料理がしにくいんです」

そう。英志は舞の料理してる姿を、物珍しそうに、

ずっと見ている。


「楽しそうだなと思って」

英志は考えていた事を単刀直入に言った。