「本当にありがとうございました。あのでも・・・」

「何が言いたい?」

そこまで言って口ごもった舞を見て、英志は少しヤキモキした。


「やっぱり、スーツの事、悪いコトしたから・・・」

クリーニングに。

そう言おうとして、やはり最後まで言わせてはくれなかった。


「舞は何も気にするなと言っただろ?

・・・・そんなに気にするなら、また今度、俺に付き合え」


「・・・え」


「今度は楽しく食事にでも行こう。

綺麗なレストランで、美味しい料理を食べたら、

舞の気も紛れるだろう」


「社長は」


「・・・ん?」


「周りから聞いてた方と、全然違いますね」

「・・・・」


「本当は、とっても気遣いのできる、優しい人」

舞の言葉を聞き、少し照れてしまった英志は、

舞から視線を逸らした。