舞は、○○ホテルに行くまでの道中。

何度となく、後ろを振り返っていた。

…それはなぜなのか。

それは、あの犯人が、舞の後をずっと追いかけてきていたからだ。

…残念ながら姿は見えない。

振り返って見えるのは、人影らしきもので。

なんとなく見えた服も、トレンチコートにパンツ姿と言った、

男か女か区別のつけられない服装だった。

体系も、トレンチコートのせいか、太っているのか痩せているのか、

全く見分けがつかなかった。


…約束の時間午後8時。

舞と英志は落ちあい、レストランで楽しく食事をした。

だが、その楽しい食事の時間が、どんどん悪い方向へと進み始める。


食事が終わるころには、二人の仲は険悪なムードが漂っていた。

それを見た黒い影は、なんだか楽しそうに、2人を見守っていた。

それと同時に、シャッターチャンスを逃すまいと、いつも片手には

カメラを握っていた。


「…英志さん」

「・・・・」

駐車場。

ここは地下駐車場。

人気はほとんどない。

舞の言葉に、英志は黙ったまま振り返った。