新しい生活が始まっても、今までと何も変わらない。

同じ時間に起床して、共に朝食を食べ、他愛ないお喋りをして、

同じ時間に二人は出勤する。


その当たり前の毎日を、2人は幸せだと思う。


そんな日々が続いていたある日。

またしても雑誌にスキャンダルが浮上した。

しかも、今度は舞が主役と言ってもいいような内容で。


『岡崎夫人、夫と秘書を手玉に取る?!』


…結婚式の話しが、どこからか漏れたらしい。

しかもその話の提供者は、隠し撮りまでしていたようで。


・・・よりにもよって、長嶋が舞の鼻先にキスするところだった。

一体どこに隠れていたのか?

思わずそう言いたくなるような綺麗なアングルに、

舞も、そして英志も呆れてものが言えなかった。


またしてもスキャンダルの人になった舞と英志。

長嶋も、やっと後継者として、働き始めた矢先の出来事だっただけに、

明らかに痛手になっていた。


「…なんだか、こんなスキャンダルの雑誌を見ても、

さほど、驚かなくなっちゃいました」

そう呟いた舞。

英志も同じだと答えた。