「今長嶋コーポレーションにいる、岡田の事か?」

「・・・」

「舞の言ってくれた通り、その男について調べた。

俺の秘書は知ってるよな?」

英志の言葉に、頷いた舞。


「長嶋は、長嶋コーポレーションの一人息子だ」

「えっ?!」

初めて知った事実に、舞は目を見開く。


「何かあれば、長嶋が動いてくれるから。

それに、長嶋コーポレーションはライバルではあるが、

社長とは、よく話をする仲だ。

俺も気を付けるようにする。だから、舞は気にするな。

会社に戻れとは言わない。俺の傍にいてくれるだけでいい。

お前が傍にいないと、お前の事ばかり考えてしまう

仕事に支障が出る前に」


そう言って英志は微笑んだ。

舞を気遣って、英志の想いが重荷にならないように、

笑顔を作ったのだ。

それは、舞にもわかった。


舞は困ったように笑って・・・。