口ごもったしまった舞に、父は続けた。


「…原因は…社長か?」

「?!」

父の言葉に驚きを隠せない舞。


「何で知ってるんだって顔だな。

社長からすべてを聞いたわけじゃない。

お前が、岡崎物産に就職した事と、辞めた事それしか聞いてない。

あぁ、もう一つ聞いたのは、社長の気持ちだ。

経緯は分からない。二人がどこで出会い、どういう関係にあるのかも」



「パパ・・・怒ってる?」


「就職先にウソついた事、社長との関係、そこには怒ってない。

就職するにあたって、私の力は借りたくなかったんだろう?

舞は、何でも一人で頑張る子だからな」


「…パパ」


「社長との関係も、私は口をはさむつもりはない。

舞も大人だ、好きにすればいい・・・・

だが、仕事を辞めた事に怒っている」


「・・・・」

「恋愛と、仕事を一緒にするな。

恋愛で辛い事があっても、社会人として、

一人前に、しっかり仕事をこなせ、舞」