…しかし、その幸せは、一本の電話で、

一気に崩れ始めた。


「社長、お電話です」

「繋いでくれ」

電話が繋がれた。

それは、総合事務課からだった。

・・・英志は電話を切った途端、頭を抱えた。


そこへ、書類を持った長嶋が現れる。

「いかがなさいましたか?」

先程と打って変わって、険しい表情をしてる英志を見て、

長嶋は嫌な予感がした。


「大高舞が、辞表届を出した」

「・・・・?!」


英志もまた、嫌な予感がした。

舞が会社に辞表を提出したと言う事は、

自分からも離れていったと言う事に違いない。

…と言う事は、

今夜、あの部屋に、舞は姿を現す事はない。



昨夜のあれはなんだったんだ?!

英志は机に手を打ちつけた。

それを見た長嶋は、ビクッとなった。