英志は、昨日、手放したはずの舞が、

自分の元に帰ってきてくれた嬉しさと、

舞が、英志を好きだと言ってくれた最高の言葉を胸に、

今日の仕事は、一段と捗っていた。


「社長、今日はまた一段とご機嫌なようですね」

「・・・そうか?」

英志は、感情をあまり表に表すことがないので、

周りは誰も気づかない。

それでも、長年一緒にいる長嶋には、ちょっとした変化に、

気づいてしまう。


英志の言葉に、長嶋は二度頷いた。

その時だった。

あの時見せてくれた素の笑顔。

その時とはまた違った、

穏やかで、それでいて優しい笑顔を長嶋に見せた英志。


「・・・あぁ、最高に幸せになれる事があった」

そう呟いて、また仕事を始めた。


長嶋は思った。

舞と出会った英志は、最高に幸せな人だと。

英志の人生は180度変えられる人が目の前に現れて、

長嶋は本当に良かったと思った・・・