そして、英志は、

舞をベッドの上にゆっくりと置き、靴を投げ捨てた。

舞は、されるがままに、英志をすべて受け入れた。


例えそれが最初で最後でも、

いや、最初で最後だからこそ、

自分の体に、好きな人を刻みたかった。


「英志さん…愛してます・・・誰よりも」

「舞・・・舞・・・愛してる」


その晩は、明け方近くまで、愛を確かめ合った。



英志は思った、もう二度と、舞を離さないと。


舞は思った、英志を最後の想い人にしようと。

この先誰も愛する事はできそうにない。

それ程、英志を愛してしまったから。



…朝。

2人は裸で抱き合ったまま、

互いの鼓動を確かめ合っていた。

ずっと、このまま、時間が止まればいいのにと、

何度も願った。

でも、時間は止まってはくれない。