今日は朝から憂鬱だった。

早朝からみっちり3時間の会議が待っているから。

大高舞(おおたかまい)は、短大新卒でこの

岡崎物産に就職し、事務をしながら毎日忙しい日々を送っていた。



「昨日も、帰ったの0時近かったのに」

そんな事をぼやきながら、まだシャキッとしない頭で、

ロビーを歩いていた。


「…キャ」「わっ」

舞は前も見ずに歩いていた為、誰かとぶつかり、

勢いよく尻もちをついた。


「ィタタタ・・・」

「悪いな、前を見てなかった」

舞の頭上から男の声が聞こえ、次の瞬間には手が差し伸べられていた。


「すみませ…ぁ、書類」

ぶつかった勢いで、持っていた書類が辺りに散らばっていた。

舞は、慌ててそれを拾う。


男もそれに気づき、一緒に拾ってくれた。


最後の一枚、2人は同時に手を伸ばした。

「すみませ・・・・・」

「・・・・・」