その考えは甘かった。

哲学の本は私には難しすぎた。
高校の一年間、男を落とすことばかり考えていたからだろうか…。
脳が退化したのかもしれない。

もし、哲学の本をきっかけにお話ができたとしても、絶対に会話が続かないという自信がある。

何か他のことで共通の話題を作ることは出来ないだろうか。

図書館で何回か会ってるから、向こうも私の存在には気がついてると思う。
同じ制服だし、高校が同じってことは気がついてるはず。
でも、学校で会っても挨拶するわけでもなく、いつも友だちと笑顔で話している草野くん。
その中には女の子もいて、私は胸が締め付けられる。

私も…
私もどうにかして、草野くんとお話がしたい!!