『だって、好きな子にはあれやこれや、したいじゃんかー』

諒太が大声を出す。

『おまえ、声でかい!』

俺は身を乗り出して、諒太をとめる。

『チュウとか!その次とか!』

『やめろって』

『触りたい触りたい触りたい触りたい触りたい!!』

『きもっ』

周りの人がニヤニヤ笑って、こっちを見ている。

『なんだよ、奏だってそうだろうが!あー、おまえ、彼女いないんだったわ』

諒太は、なぜか少し得意気な顔をする。

『彼女いない奏にはわかんないかー』

なんかムカツク。

『まぁ、とにかく奏も覚えときなさい。女の子はガツガツした肉食系男子は嫌いなんだよ』

どや顔。

ムカツク。



『あー、おまえみたいなタイプね、覚えとくわ』


そう言うと、諒太は面白いくらい、しゅんとした。


俺の勝ち。