トントントントントントン「……………」トントントン

常に貼り付けたようだった笑顔は崩れ始め
口角は上がったままだが目は完全に笑っていないし
前髪で少し隠れているが眉間によせたシワもさっきよりずっと深くなっているだろう
それに爪先や指先の小刻みな動きがさっきよりずっとずっと増えている

はっきり言おう、怖い。
夢ちゃんがさっきからたまに俺の手にしがみついたりしているのはなんていうか嬉しいんだけど
その夢ちゃんの表情と言ったら

今に叫び出してもおかしくないくらい張り詰めていた

んで緑は相変わらず能天気でクッキーは飽きたのか
どこからか持ってきた糸であやとり(できてない)をしていた

静かな部屋
小刻みに床を靴の爪先が叩く音だけが鳴っている