足を撃たれて倒れ、腕を撃たれて銃を落とし、無力化されるテロリスト達。

それでも、只の一人も殺してはいない。

怪我こそさせたものの、致命傷は一人も負っていなかった。

「くっ…!」

倒れたまま、それでも何とか床の銃に手を伸ばして反撃を試みようとするテロリスト。

その手を。

「やめとけ」

三浦が戦闘靴2型で踏み付けて阻止する。

「三浦君」

最上階までクリアリングしてきた麗華が、三浦のもとまで戻ってくる。

「テロリストは上の階にはいなかったわ。人質も全員確保」

「…三浦君じゃないだろ、分隊長だろ」

溜息をつく三浦。

「いいじゃん、二人きりなんだし」

麗華が嬉しそうに笑う。

『HQより三浦分隊、聞こえているんだがな…』

司令部からも呆れたような溜息が聞こえる。