「ぐあっ!」

大腿部を撃たれ、グライムズが転倒する。

直後、アインザッツグルッペンによるパンツァーファウストによる至近弾!

第二次世界大戦中のドイツ国防軍が使用した携帯式対戦車擲弾発射器だ。

戦後にソビエト連邦で模倣され、RPG-2やその発展型RPG-7として大量生産された、ロケットランチャーの祖とも言うべき兵器。

爆発の残骸と破片で、グライムズの姿が見えなくなる。

「グライムズ!」

黒煙の中を、駆け寄るジェフ。

残骸を掘り起こし、グライムズの姿を探すと。

「ぐ、軍曹…」

埋もれながらも、グライムズは生きていた。

顔が真っ黒に汚れ、至近弾の衝撃で朦朧としているが、奇跡的に致命傷は受けていない。

「大丈夫かグライムズ!」

「頭の中で音が響いています…」