アメリカ軍が最終攻勢を開始すると、世界統一政府軍第6軍は市内の防衛線に追い込まれる。

廃墟や瓦礫で、世界統一政府軍軍将兵は戦死、さもなければ餓死、或いは自決に迫られた。

当主は『英雄叙事詩』の如く全員戦死する事を切望し、正規軍としての降伏を許さなかった。

第6軍の幹部達の間にも絶望的雰囲気が漂い始める。

このヴォルゴグラード攻防戦を、心から楽しんでいるのは当主のみだった。

彼は確かに言っていた。

『死んだり死なせたりしよう、殺したり殺されたりしよう』と。