小川小隊の隊員達がチヌークに全員搭乗し、ヘリは間もなく離陸し、都心へと向かう。

しかし。

「?」

ただ一人、豊田だけが、ヘリのハッチの前で佇んでいた。

手には5.56ミリ機関銃ミニミ。

出撃の準備は整っている。

だが、彼女はヘリに乗り込もうとしなかった。

「豊田…さん…?」

同僚の麗華が、彼女に声をかける。

「どうした豊田。早く乗れ」

彼女の隊の分隊長を務める三浦も声をかけるが。