「だから言っただろう」

取調室の椅子に座ったまま、谷口が顔色一つ変えずに言う。

「ステルス性を持つ兵器なら幾らでも所有している。戦術自衛隊や在日米軍のレーダー網を掻い潜っての侵攻くらい訳もない」

「おいっ!」

巽が谷口の胸倉を摑んだ。

「外にいる兵士達は何者だっ?お前が言ってた、世界統一政府とやらの回し者なのかっ?」

「……」

胸倉を摑まれたまま、谷口は冷ややかな目で巽を一瞥する。