取り調べ中だった巽は、ふと顔を上げる。

小川達戦術自衛隊の面々と顔を合わせて以降、黙秘を貫いていた谷口が、突然何のつもりだろう。

「29日だ。それがどうした?」

「……」

無表情のまま、谷口は視線を落とした。

「刑事さん…世界統一政府って可能だと思うか」

「…何?」

谷口の前に座っていた巽、そして立ち会っていた倉本も、訝しげな表情を見せる。