キューバ本国との境界からヘリが来る。

コートニーを救出し、そのヘリで脱出するのがガイストの任務。

だが、今回の敵はANではない。

第75レンジャー連隊、正規のアメリカ軍。

事は政治が絡む。

『大っぴらに増援は出せない。問題ないか?』

「なぁに、たまには一人がいいさ」

大雨が降って条件の悪い南岸の崖を身一つでよじ登りながら、ガイストはゴーストの無線に答えた。

マンセル要塞をたった一人で陥落したゴーストもそうだったが、ガイストの身体能力もずば抜けたものがある。

流石は伝説の幽霊の息子だった。

『コートニーは北東の旧施設に捕らわれているらしい。基地内に入り、まずは北東に向かってくれ』

「了解」

崖を登り切ったガイストは、匍匐前進で敷地に接近。

基地を取り囲むフェンスへと近づいて行った。