階段を駆け上がり、幾つかの部屋を探るスティングレイ。

机の上や棚の中にしまってあった使えそうな情報や書類を、情報端末にデータとして残したり、書類ごと入手していた時だった。

『スティングレイ、問題発生だ。指示するまで発砲するな』

トライデントからの無線。

すぐに二階の手摺り付近から、身を隠しながら階下の様子を見る。

…銃を捨てて、両手を上げているトライデント。

その目の前に、無数のAN兵士がFN MAG汎用機関銃を向けて立っている。

彼らの背後にいるのは、スティングレイ達が追っていた人物。

アフマド・ジャール…!

「貴様何者だ。アメリカ人がこんな所で何をしている。どこの部隊だ」

問い詰めるジャール。

「…もしかして貴様、タスクフォースの兵士か?」

ジャールの眼に宿る、残忍な光。

『スティングレイ』

トライデントは無線を通じ、スティングレイに指示する。

『プランBだ』

プランBなどと、任務前にスティングレイは打ち合わせで聞いていない。

しかし理解できる。

プランBの『B』とは。

『やれ』

『BOMB(爆弾)』の『B』!

スティングレイが手元の起爆装置を押すと同時に、先程給油所で仕掛けたC4爆薬が大爆発を起こす!

「な、何事だっ?」

爆発に身を竦め、狼狽するジャール。

その隙にトライデントは足元のM4カービンを拾い上げ、的確なヘッドショットでジャールを射殺!

スティングレイも階段を駆け下りつつM4カービンをフルオートで乱射し、敵兵達を排除していく!