Task Force-特別任務部隊-

放置された大型トレーラーの車体に隠れた二人は、そのまま車体の下に潜り込んで匍匐前進する。

周囲には、いまだ歩き回っている敵兵達の姿。

まさかこんな敵の密集地に、二人だけで乗り込んでいるとは思うまい。

先程と同じ緊張感の中を、進む。

そのまま大型トレーラーの下を掻い潜り、抜け出す頃には、MOABの爆発でも辛うじて倒壊しなかったビルの入り口の前だった。

「誰にも見られていないな…よし、行こう」

そのままビルの内部へと入っていくマクナイトとジェフ。

このビルの最上階ならば、いい狙撃ポイントになるだろう。

非常階段を駆け登り、途中の割れた窓から内部に入り込む。

内部に敵兵の姿はない。

クリアリングを怠る事なく、前進。

粉々に砕け散った窓ガラスが、爆風の熱で溶けてしまっている。

「見てみろ…かつてこの街には5万人が暮らしていたらしい…それがシャリフ一派の自爆でこの有様だ…」

確かに窓から見える風景は、最早戦場そのもの。

多くの民間人をも巻き込んで、シャリフ一派はタスクフォースを道連れに自爆したのだ。

怒りが込み上げる。

その怒りを飲み込み、廃墟と化したビルを、上へ上へ。

ようやく最上階へと到達。

「よし…ここで待ち伏せ(アンブッシュ)する」

マクナイトが言った。

早速M4カービンの準備をするジェフ。

弾薬はまだ残っている。

眼下に見える敵部隊。

相当数の兵士が犇めく中。

「あれだな…」

マクナイトが指差した先に、指揮官らしき男の姿があった。

恐らく間違いないだろう。

距離はギリギリ500メートル程度。

もう少し近づきたい所だが、見晴らしの良さを考えると狙撃ポイントはここしかあるまい。

ジェフのM4カービンには二脚(バイポッド)や頬当て(チークパッド)などの狙撃用装備が装着されている訳ではないが、こういった任務に準備不足は付き物だ。

贅沢は言えない。