Task Force-特別任務部隊-

完全に敵部隊をやり過ごした所で。

「よし、前進しよう。ゆっくり慎重にな」

マクナイトは匍匐前進、距離を置いてから立ち上がる。

生きた心地がしなかった。

よく見つからなかったものだ。

放置された車の陰に隠れ、前方を確認。

3名の兵士が、まだうろついている。

もっといい位置に移動する。

車を回り込み、破壊されたタスクフォースの戦車の陰へ。

見張りに気付かれずに始末するのは難しいが、かといって排除せずに進むのはもっと困難だ。

呼吸を整え、他の兵士が目を離している隙に、ヘッドショット。

目標排除。

「他の二人はまだ撃つな、奴らは同時に始末するしかない…俺が位置につくまで待て」

マクナイトの指示で、ジェフはM9の銃口を下げる。

マクナイトが単独で回り込み、兵士の背後につく。

アイコンタクトで指示が来るのを待ち。

「!!」

まずジェフが一人をM9で射殺。

それに気づいた敵兵が銃を構える前に。

「がっ!」

マクナイトが敵兵の首を裸絞めで絞め上げ、絞殺した。

「行くぞ」

敵兵3名を片付け、前進を再開する二人。

…残してきたグライムズ達は大丈夫だろうか。

そんな事がジェフの頭をよぎる。

先程やり過ごした大部隊に発見されれば、一溜まりもないだろう。

急いで指揮官を叩く必要があった。

先に進むとまた敵兵の姿。

物陰に隠れ、様子を窺う。

「手を出すな、奴は俺がやろう」

マクナイトの言葉。

静かに近づいて行き、背後から敵兵の頭を両手で摑む。

瞬時にして首を捻り、頸椎をへし折って殺害。

早業だった。

命令するばかりの男ではない。

マクナイトもまた、レンジャー叩き上げの有能な兵士なのだ。

邪魔な敵を始末して、倒壊して折り重なった建物の下を通過しながら進む。

残骸の隙間や陰は、いい遮蔽物となってくれた。

身を隠すには絶好の場所だ。

建物の陰から先を覗き込むと、かなりの数の敵兵の姿。

「随分と集まってやがるな…合図と同時に走り抜ける。後ろを離れるなよ」

マクナイトが言う。

「まだだぞ…よし、今だ!」

合図と同時に、建物の陰から飛び出す!

多くの敵兵がいるが、全員こちらを見ていない。

奇跡のようなタイミングを見計らい、物音を立てずに走り抜ける。

物陰に飛び込んだのは、ギリギリの呼吸だった。