Task Force-特別任務部隊-

迷っている暇はなかった。

「よし、行くぞサンダース軍曹。オールギリードアップ(完全偽装)だ。地形や遮蔽物を駆使して、敵に絶対に見つかるなよ」

グライムズとマットをその場に残して救援要請を任せ、マクナイトとマットは来た道を引き返していく。

「ついて来い、姿勢は低く」

小声でジェフに指示を出しながら、マクナイトが先導する。

MOABの爆発による粉塵がまだ完全に収まっていないのか、砂嵐によって視界が悪いが、かえってマクナイト達には都合がよかった。

この粉塵に乗じて、気付かれずに接近できる。

「待て」

爆発によって原形を留めていない建物に駆け寄り、壁に張り付くマクナイトとジェフ。

内部を通過し、裏口から外の様子を窺うと。

「接敵、前方に敵兵数名」

ジェフが確認する。

「低い姿勢のまま、ゆっくり近づく。この砂嵐なら絶対に怪しまれない」

二人は砂塵の中、更に匍匐前進で敵の目を欺きつつ、進む。

「サンダース軍曹、サプレッサー付きの武器はあるか」

「サイドアームのM9なら」

「よし、片方が目を離している隙に一人ずつ始末しろ」

マクナイトの指示で、ジェフはM4カービンから自動拳銃のM9に持ち替える。

発射音を極限まで消す減音器を銃口に取り付け。

「……」

左の兵士が方向転換した、今だ。

ジェフがトリガーを引くと、プシュッという極々静かな音と共に弾丸が発射される。

敵兵の頭を撃ち抜く9ミリ弾。

もう片方の兵士は、仲間が射殺された事さえ気づいていない。

続けてもう一人も射殺。

「行こう」

マクナイトは立ち上がり、ジェフと共に先に進んだ。