膝をついたまま、嘔吐。

マットは苦悶の表情を浮かべる。

疲労と肋骨のダメージ。

無理をして反撃に参加したのもある。

マットの体力は限界に近付きつつあった。

もう移動は無理かもしれない。

少しでも早く安全な場所で、安静にさせなければならない。

「…グライムズ」

マクナイトは意を決したように、グライムズに告げる。

「お前はこの場に残り、HQへの救援要請を続けろ。爆心地から幾らか離れた。交信が可能かもしれない。通じなくても交信し続けろ。エヴァーズマンの事は任せるぞ」

そしてマクナイトは、ジェフの方に視線を向ける。

「サンダース軍曹、危険な任務だが頼めるか」

「何でも命令して下さい。ただ殺られるよりはマシです」

マクナイトの命令内容を聞くよりも先に、ジェフは頷いて見せた。