小指でつなぐ約束

「じゃ、乾かしますかー」



今は、夏の少し前。


制服も薄手のシャツだから助かった。



2、3分ドライヤーを当てるだけでほとんど乾いた。



「よしっ!完璧〜」


髪の毛もしっかりと乾かした。



「…あっ、やべぇ!」



北条のこと、すっかり忘れてた。



大丈夫だろうか…?



俺は急いでトイレを出ようとした。



すると、なにやら言い争っている感じの声が聞こえてきた。



お嬢ちゃん、とか言ってたな。



しかも、この高い声…



まさか…北条?



いてもたっても居られなくなって、俺は声が聞こえてくる場所まで走った。