初めての恋はあなたと。番外編

確かにその気持ちも、ないわけではない。
しかし何よりも優先して謝りたかったのは、和也さんに一言も言わず秘密にしていたこと。

でも涙のせいで、上手く言葉が出てこない。


「何故君が謝る?」

「だ、だってっ…」


和也さんは私を抱きしめながら、頭をよしよしと撫でてくれる。


「とにかく場所を変えよう。それから話を聞くから」


きっと和也さんは聞きたいことがたくさんあるはずだ。
それでもすぐに聞くことなく、気遣ってくれる。
場所も場所だからということもあるが、和也さんの優しさに心が温かくなる。


「はい…」


返事をしたところで、少し冷静になった頭の中でいくつか疑問が出て来た。

立ち上がり先に進もうとした和也さんを止めた。


「あの、和也さん」

「何だ?」

「何でここに来てくれたんですか?」

「あぁ…実は飲み会の場所がここだったんだ」


確かに飲み会だとは聞いていたけど…まさかその場所が合コンの場所と一緒だなんて。

誰が想像できるだろうか?


「たまたまこの廊下の前を通ったら、千夏が迫られていて真剣に焦った」

「ごめんなさい…」

「だから、千夏が謝ることじゃない」


優しく微笑んで私を見つめてくる。

何度もその微笑みを見ているのに全く慣れない。
いつもドキドキして、顔が熱くなる。