「さて、そろそろ起きるか。君を一度家に送らないといけないし」
「大丈夫ですよ、送ってもらわなくても…」
時計を確認すれば朝の6時過ぎ。
電車はもちろんあるし、外はまだ暗いけど夜帰る時とそこまで変わらない。
残業続きの和也さんにはもう少しゆっくり寝てほしい。
今からならもう少し寝れるはずだ。
出来るだけ休んでほしい。
そう言おうとしたが無理だった。
「いや、今日は送らせてほしい。君のお母さんにもそう伝えたし」
まさかのお母さんの登場に驚いたからだ。
ポカンとした表情の私に、和也さんは微笑んだ。
「千夏をここに連れてきた時に、お母さんに連絡したんだ。酔ってるからこのまま家に泊めることと、朝はちゃんと送っていくということ。それで許可をもらったんだ」
許可って…。
あのお母さんなら構わずどうぞって言いそうなんだけど…あ、でも急に泊まる時とか何かある時は必ず連絡しろって言われてたっけ。
…ん?ということは、前もそうだった?
前も似たような状況になった。確か総務と営業の親睦会の後だ。
あの時は気付いたらまだ夜中だったけど、そのまま泊まることになったし、連絡も忘れていた。

