「今さら恵美が大切だって気付いても遅いから…!!」 気付いたら 恵美の目の前の男にそう言い放っていた。 2人が「………?」みたいな顔してたから あたしは検討違いな事を言ってしまったんだと一瞬思った。 もっとちゃんと会話を聞いてから口を挟むべきだったと後悔した。 でも次の瞬間。 ほんとにかすかにだけど……恵美の顔が、ほころんだ気がした。 「行こ、恵美。」 あたしは恵美の手を握って歩き出したんだ。