風が強く北風が冷たい

太陽は厚い雲に隠れ光が届かない

そんな中、一隻の船から大声が聞こえる

「おいっ!!風が強い!!帆を畳め!」

そんな、命令口調な男の声が聞こえる

この船は海賊船ジョルディーナ号

と、言ってもあまり有名な海賊ではない
かなり小規模な海賊だ

「アルスっ!さっさと帆を畳め!仕事が
遅えぞ!!」

「へいっ、すいません!今すぐに...!!」

見習いの少年だろうか、齢16ほどに見える

だが、その顔に生気は無くやつれている

「(ったく、こんな予定では無かったんだがなぁ...)」

「うわぁ!!!凄い風だマストが折れる!!アルスっ早く降りてこい!」

見習い少年のアルスは今マストの上にいる

「えっ...?」

バギャッ

鈍い音を立てマストが折れた

その途端アルスの体が海に投げ出される

「うわぁぁぁぁあ!!」

「(クッソ!こんな何処で...!!)」

アルスは離れてゆく意識の中でそんな事を考えていた。