なのに、部屋のどこを見渡しても、そんな置手紙やメモは見当たらない。


――プルプルッ、プルプルッ……



もう一度電話を掛けるが、やはり出ない。



くそっ!


なんで出ないんだよっ!!


イラつきと、焦りで、うまく頭が回らない。


落ち着け、落ち着け。



とにかく、近くのコンビニと公園を探してみよう。


前にこの部屋の前で、変なおやじに絡まれて相当怯えていた美乃里。



そんな美乃里にもしものことがあったら……



玄関の方に走って向かい、勢いよくドアを開けた。



――バンッ!!


「っ!!」


え……


「蜜……くん?」



そこには瞳を大きく見開かせた美乃里の姿が……