……どこ行ったんだ?


周りを見渡して、美乃里の姿を探す。


といっても、こんな狭い部屋だ。


隠れる場所なんて、どこにもいない。



つまり……美乃里はこの部屋にいない……


――ドクッ


嫌な胸の鼓動を感じた。


テーブルに置きっぱなしだったスマホを手に取り、急いで美乃里に電話をかける。


――プルプルッ、プルプルッ……


なんで出ないんだよっ……


いくらならしても、美乃里からの応答はなかった。



そのうち電話は留守番電話に切り替わり、俺は電話を切った。


落ち着け……


普通に考えろ。


ちょっと友達のところに遊びに行ってるだけかもしれない。



でも、美乃里はまだここに越してきたばかりで友達なんているのか……?


それに、友達といるにしても電話くらいは取れるだろ?



せめて置手紙をして出かけるとか、俺を起こすとかして出ていくはずだ……